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「17歳のカルテ」

  1. 2007/10/17(水) 22:51:55|
  2. 映画♡
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1999年の作品。
公開当時、気になっていたのに結局観逃し、DVDが出たら借りようと思って忘れ、
そのまま月日は流れ、今更ながらというぐらい遅いが、ようやく観た。



大量のアスピリンと酒を飲んで病院に運ばれたことから、精神療養施設に入所したスザンナ。
なぜ自分がこんなところにいるのか受け入れられない日々。
その中で、他の患者たちとかかわるうちに、自分と向き合い、新たな葛藤が生まれてくる・・・。

正常と異常の境界は何なのか。
何を持って判断するのか。
自分はどちらなのか。
どんな自分でも今の自分を受け入れられるのか。

そして、本当は何を望み、何を恐れているのか。
そんなことを問いかけられているように感じる。








自分は何者なのか。何のために生きているのか。

自分はこのままでいいのか。

人は日々、意識していようがいまいが、そんな不安を抱えていると思う。
その問いかけの答えが見つからずに苛立ち、仕事にも意味を見出せない。
いやなことばかりやらされているような気分になる。

そして、自分がやっていることに自信がもてない。
本当にこれでいいのか?

そんな不安をずっと抱えていてはつぶれてしまう。
だから人は身を守る。
方法はいろいろ・・・。

休暇をとって旅行に行く。

仲間と飲みに行く。

カラオケで発散する。

趣味に没頭する。

友達に愚痴る。

だが、その方法を知らないなら、(例えば酒やタバコで)体を壊すか、
心の機能をストップさせる。
そうやって人は脅威から身を守ろうとしている。

ただ身を守る方法が、自他破壊的なものだとしたら、
そうでない方法を選べるにこしたことはない。

この世界で生きていく力を左右するのは、
矛盾だらけで、自分の思い通りにならないこの世界、
そして、思い通りにならない自分自身を、
受け入れて生きていけるかどうか。

それだけなんだと思う。

スザンナも、どうにもならない自分を受け入れることで、守られている世界(療養所)から現実の世界へ戻る(退院する)プロセスを踏むことを決める。

自分を受け入れるプロセスは、時として過酷だ。
だからこそ、人にはある時期、自分を受け入れるために、守ってくれる場所が必要なんだと思う。
それがスザンナにとっては、たまたま精神療養施設であり、同じように心を病んでいる患者だった。

自分を確立するプロセスを保護する環境が整っていない(学校も家庭もその役目を果たせていない)ことが、とても気になるこのごろ。
心の成長を見守る環境は必要なんだけど・・・、と
この映画を観てふと思ってしまった。

ウィノナ・ライダーが、繊細な演技をしていてとても共感できた。
この作品で、アンジェリーナ・ジョリーがアカデミー助演女優賞をとったので、
そちらの方が注目されてますが。
どちらも名演ですけどね。

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